双子は魔法使い!?
固まって何も言えない俺たちに対し、先生は首を傾げながら通り過ぎた。

約数分間の沈黙の後で、
「ねえ」

未来が俺に視線を向けた。

「まさかとは思うけど、若返りと共に記憶も消えちゃうのかな?」

未来が聞いた。

「それって、どう言うこと?」

そう聞いた俺に、
「新しい方の記憶――要は、あたしたちのこととか――それが、若返るたびに消えてるのかなって」

「ええ…!?」

俺たちは顔を見あわせると、急いで姿を消した。

「おや、ずいぶんとお早いお帰りだね」

そう言って俺たちを迎えたのは、おふくろだった。

「ママ、クロミおば様から何か連絡はあった?」

慌てているのか、未来は早口でおふくろに聞いた。
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