ほっとここあ


雪がさっきよりも
弱くなる


私はなぜだか
ほっとして
小さく息をつく




稜はそれに気付いたのか

ちらっと私の方を見る


「雪さっきよりも
ましになったね」


稜がにこっと
いつもの無邪気な顔で
笑う


さっきまで
あんなに真剣な顔
してたのに…


「心愛

そんなじぃっと
見つめられると
照れるから!!」


稜が少し顔を
赤らめる


…稜って変わらないな


昔から無邪気で
優しくて

こんな奴だった

そう思うと
私は少し安心する


「ねぇ心愛…」

「ん?」

「また怒られるかも
だけど


心愛が俺の事
好きになってくれ
なくても


…俺はずっと
心愛が好きだから



それだけは

ずっとずっと
変わらないから…


どんなに周りが

…変わっても」


稜が少しさっきの
真剣な顔に戻る


私が少し止まって
稜の方を見ると



稜はいつもみたいに
優しく笑う


…あの頃と変わらない
優しい笑顔で



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