ほっとここあ
「ねぇ
聞いた?」
トイレの外から
話し声が聞こえてきて
なんとなく
私は耳を澄ます
「あ、雪さんの事?」
自分の姉の名前が
出てきて私は少し
ビクりとする
「聞いた!それ!
心愛の彼氏と浮気
してたんでしょ?」
「え―なにそれ
知らなかったぁ」
「キツいよね―」
私は本心状態に
なって
動けなくなる
「…でもさ
私が男でも
雪さん選ぶかも
…可愛いし
女の子っぽいし
頭も顔もいいし」
「確かに
あの子結構
しゃしゃりだしね」
…私は言葉を失う
涙も流れなかった
雪姉が…?
うそでしょ?
私はその場に
しゃがむ
その日
私は雪姉を見た
隣には私の
彼氏
雪姉が私を
裏切ったわけがない
ただ
そう思うしかなかった
その日から雪姉とは
しゃべらなかった
一言も
学校ではあんまり
人に言われないようにと
どこにいても
きをつかった
でも…
自分が自分ぢゃなくなる
みたいで嫌だった
だから私はあんまり人と
関わる事をやめた
関わったって
傷つくだけだから…
そう思った
彼は雪みたいな人だった
はかなげですぐに
消えてしまう
ほんとに彼が雪みたいに
私の前から消えた時
感情も雪みたいだと
思った
はかなげですぐに
消えてしまう
だから怖かった
人を信じるのが
怖かった