ほっとここあ
私と陵は並んで
校門の方へ向かう
しだいに女の子達の
黄色い声が聞こえ
初める
「どうしたんだろ?」
そう言うと陵は少し
首を傾げる
「なんだろね」
女の子達の方を見ると
どうやら陵を見て
騒いでいる訳では
ないらしい
「あ、誰か
校門の前に立ってる」
陵が校門の方を
指差す
「あ!ほんとだ
誰なんだろ…
「心愛ちゃん!!!」
校門の前にいた人が
振り向いて私の名前を
呼ぶ
「え?」
陵がびっくりした顔を
して私とその人を交互
に見る
「倉崎さん?!」
倉崎さんが私の方に
かけよってくる
「よかった―
もう忘れてるかと
思った!!」
私は自然に笑みが
こぼれる
「なに?!」
「いや、ちゃんと標準語
なんだなって思って」
「こら笑」
倉崎さんも笑う
「え?!
待って?!誰?!」
陵がなぜか私の後ろで
あたふたしている
「彼氏?」
倉崎さんが
陵にたずねる
「いや、めっちゃ
片思いです」
あまりにも陵が力強く
言ったから
私は思わず
爆笑さてしまう
「陵、素直すぎ!!!!
片思い頑張って?」
私は陵の肩をぽんぽん
と叩く
「陵くん?
中々いいキャラだね笑」
倉崎さんも隣で
爆笑している
「あ、陵くん
ちょっと心愛ちゃん
借りてもいい?」
「早速
俺の片思いの邪魔
するんですね笑」
陵はそう言って
少し笑うと
ぽんと小さく
私の背中を押して
去っていく