ほっとここあ
「お姉さんいる?」
「え?」
私の胸がチクリとなる
「あ
俺のバイト先に
おんなじ名字の人がいて
よく妹の話してるから」
…雪姉が私の話?
山崎って名字
ありきたりだし
私ぢゃないかも
雪姉が私の話
するわけない…
それにバイト先って
カラオケのだよね
雪姉が働いてるの
ケ―キ屋だし
「どうした?」
私が中々答えないので
心配したのか私の顔を
覗きこむ
「あ、お姉ちゃんは
いないです」
思わず私はそう答える
ズキンと
胸が痛むのを
感じる
多分まだあの頃の
傷はいえるどころが
トラウマになっていいて
お姉さんがいるの?
と聞かれても
いないと答える事が
何度かあった
いないと答えるたびに
胸が傷んだ
ウソをつく痛みと
雪姉の存在を消して
しまった痛み…
「ぢゃぁ違う人かも…」
倉崎さんが少し
残念そうに呟く
胸の痛みが
少し大きくなる
「あの…
バイト先って?」
「あ、駅前のケ―キ屋
バイトかけもちしてんの」
ズキン
さっきよりも
胸の痛みが大きくなる
…雪姉だ
雪姉は駅前のケ―キ屋
パティシェをしている
さっきまでの痛みとは
違う胸の痛みを感じる
雪姉が
好きなんだ
とっさにそんな思いが
浮かぶ
まだ何も聞いてない
んだから
勝手に決めつけて
自分を傷つける必要は
ないと
自分に言い聞かせる
「だいじょうぶ?
なんか顔色
悪くない?!」
「大丈夫です」
私は無理矢理笑顔を
作る