願いはひとつだけ…
余りに素っ気ない返事に
固まる私を置いて、再び歩き出そうとする先生を
慌てて引き留める

「あっ、あの
先生結婚され…」

「多田さん、もういいですか?
早く職員室に行かないといけないので」

私の言葉を遮り、更に

「それから、翔梧先生ではなく、宇都木先生と呼んで下さい」

それだけ告げると
足早に職員室へと消えて行った。

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