願いはひとつだけ…
「…多田さん、まだ残っていたんですか?」


「はい、担任に頼まれて

でももう終わって帰るところです」

少し驚いた感じで言う先生に、こう答えると

窓の戸締まりをして、
「気をつけて帰って下さい」と私に言い、教室を後にしようとする先生の背中に

「翔梧先生!
今、幸せ…?」

再び聞いてみる。

朝と同じく先生の肩がピクリと動いた


やっぱり聞こえていたんだ…

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