願いはひとつだけ…
私の手を押さえている
私の服にかけられている
先生の手が、微かに震えていたから…

余りに苦しそうな表情をしていたから…



私だ…

先生を苦しめ、傷付けていたのは

先生に少しでも昔の笑顔を取り戻して欲しくて
散々纏わり付いて

何も知らずに、昔のこと蒸し返して平気で奥さんのこと聞いていた…

他ならぬ私だったんだ

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