願いはひとつだけ…
外観と同じく白を基調とした清潔感のあるリビングに通され

腰を下ろす前に、隣の和室にある蘭さんの仏壇に手を合わせにいった

戻って、隣に座る先生をチラッと見るが、俯いたままで
視線を合わそうともしてくれない


半ば無理矢理連れて来てしまった感じだし
この部屋には、あちこちに蘭さんの写真が飾られているし
先生には辛いのかも知れない

当然といえば当然か…


少しいたたまれなくなり
お茶の準備をするという
蘭さんのお母さんの手伝いをすると言って
私も席を外した。

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