願いはひとつだけ…
両手を固く組み、俯いたまま、唇を噛み締め、涙を流しながら聞いていた先生は、そんな二人に首を横に振り
此処に来て、初めて口を開いた…



「…あの日、そう…
三年前の今日、僕と蘭はクリスマスに必要な物を買い揃えに買い物に出掛けた

最後に、彼女がどうしても買いたいキャンドルがあるからってそれを買った帰り、彼女の言う道は混むから嫌だと、僕が違う道にしたんだ…

その道で事故に…遭った……」

先生は自分の髪をクシャッと握りながら肩を震わせて更に続けた

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