願いはひとつだけ…
何であの時、混むのくらい我慢して、彼女の言う道を選ばなかったのか

何であの時、死ぬのが…僕ではなかったのか…


後悔に押し潰されそうで彼女の分も、彼女と一緒に生きていかなければならないと思った


なのに……

失った時は、頭も心も
彼女でいっぱいだった

それが時が経つにつれ
気が付くと彼女のことを忘れていることがあって

それがどんどん増えていって…

あんなに想って、あんなに愛した彼女が、頭から心から離れてしまうのが怖くて
そんな自分が許せなかった…」

苦しそうに話す先生の姿に、どれだけの孤独と苦しみを背負っていたのだろうと、胸が張り裂けそうになった。

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