願いはひとつだけ…
先生の話しを目を潤ませ聞いていた蘭さんのお母さんは、静かに立ち上がると、先生の前に跪き
震える手を取って

「それでいいんです

人は、忘れていくから前に進めるんですよ

そこにまた新しい出会いや学びが埋まっていって成長していく…

誰も貴方を責めたりしません

娘の分まで生きるというのは嬉しいことですが、
ずっと一緒に生きていくのではなく、
どうか、翔梧さんは
翔梧さんの人生を生きて下さい

他ならぬ蘭がそれを望んでいたのですから…

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