破れぬ誓い
「じゃぁ…行ってきます。」
道場の門でアタシはお華さんに別れを告げた。
寂しそうに笑うお華さん。
「一年に一回は帰ってきなさいよ。」
「うん。」
「身体には気をつけなさいよ。」
「うん。」
「好き嫌いは、しちゃいけないよ。」
「うん。」
どんどん、涙声になるお華さん。
それにつられてアタシも泣きたくなってくる。
「ちゃんと礼儀正しくするんだよ?」
「うん。お華さん、大丈夫わかってるって。」
「それと…。」
「遥ちゃん、死んじゃ駄目だよ。」
「………うん。」
アタシはこれ以上此処にいられなくなって背を向けて歩き出した。
後ろではお華さんの啜り泣きが聞こえる。
さよなら、お華さん。
ありがとう。
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