破れぬ誓い
あれから暫く松岡さんと話しながら見回りをしていた。
そろそろ昼なので一度屯所に帰ろうという話になった。
「…ん?」
物音がした気がした。
いや、いる。
「松岡さん、何かいます。」
「え?」
松岡さんが聞き返すと同時に建物の影から黒い影が飛び出た。
「誰だ!?」
倉田さんが叫ぶ。
1,2,3……6人。
男が6人飛び出てきた。
「新撰組が3人たぁなぁ…っておい、見ろよ女がいるぜ?」
「それに気の弱そうなのと単に弱そうなの…楽勝だな。」
チャキ…と6人の男が一斉に刀を抜いた。
「どうやら…大変なことになりましたね。」
「辻村さん、どうしましょう…。」
「おい、松岡、ビビってんじゃねぇだろうなぁ。」
じりじりと詰め寄る男達にアタシたちは背を向けないように小さくまとまる。
「おい、ガキここで活躍したら認めてやるよ。」
「は?」
倉田さんの思いがけない言葉に一瞬戸惑ったが意味を理解すると俄然やる気が出た。
生きるために殺す。
アタシは斎藤さんのようになれないかもしれない、だったらこうするしか…
身を護るために…。
一生この罪を背負う覚悟はできた。