破れぬ誓い



相手の一瞬の隙をついて斬りつけた。


「あぐっっ!!」


男は小さな悲鳴をあげて倒れた。

カタカタカタと小刻みに震える手。


吐き気がしそうだった。



「うあっ!」


声が聞こえた。

見れば松岡さんが斬りつけられていた。

腕に滴っていた血。


アタシは自分を奮い立たせて松岡さんのところまで走った。


「松岡さん!」


アタシは松岡さんを傷つけた男を斬った。

もう躊躇わない。

仲間を傷つける人は許さない。

絶対に誰も傷つけない。



あと、4人。

と思ったら倉田さんがもう2人も倒していた。


ガキッ!ガキキッ!


火花を散らせながら倉田さんは戦っていた。

苦戦しているらしい。


と、そこにもう1人の敵が倉田さんに斬りかかろうとしているのに気が付いた。


倉田さんは気づかない。


アタシの足は無意識に走り出した。



「死ねぇぇ!」


男の刀を振り下ろす音と血が舞い散った。





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