破れぬ誓い
「ぁ、羽織がない。」
思い出した。
アタシの羽織は一体何処に…?
きょろきょろとしていると後ろから足音が聞こえた。
「よぉ。」
見れば土方さんがいた。
「土方さん?めずらしいですね。」
「お前の復帰日だ。向かえに来た。」
「総司が来るって言ってましたよ?」
「別にいいだろ?俺じゃ嫌…か?」
「いえ!」
アタシはニッコリと返すと土方さんも笑った。
その笑顔が優しくてドキドキした。
「そういえば、アタシの羽織知りません?」
「あぁ。これだ。」
と、土方さんがアタシに羽織を差し出した。
パサッとアタシに投げられた羽織。
アタシはおかしいことに気がついた。
血の跡が…ない?