破れぬ誓い
「倉田が丁寧に洗ってたぞ。」
「倉田さんが?」
「なにがあったのか知らんが倉田があんな事をしてるのを初めて見た。」
と、そっぽを向く土方さん。
「それと、“認めてやる”。って意味分かんねぇこと伝えてくれって言われた。」
「あはは。そうですか。」
嬉しくて思わず笑える。
そんなアタシを変な顔をしてみる土方さん。
「いやぁ、それにしても復帰できてなによりですよ。」
「あぁ?」
「また、仕事ができるんですから。」
「そんな傷を作ってまでお前はよくやるな。」
「傷…ですか。」
アタシは土方さんに手の平を見せた。
「この傷はですね。新選組の証です!で、もっともっと強くなろうって思う傷です。」
続いて腕を見せる。
「これは、初めて誰かを護ってついた傷です。アタシの誇りですかね。」
最後にお腹の傷をさすって笑った。
「これは…これは人殺しっていう罪を忘れないための傷ですかね?」
土方さんは笑わず少し辛そうな顔をした。