破れぬ誓い



「…あー、もしかしてお前あの男の事心配してるのか?」


暫くの沈黙の後うつむくアタシを見て土方さんが言う。

あの拷問していたときの土方さんとは違う。

いつものアタシと居るときの土方さんだった。


「それもそうですけど。」

「心配するな。医者に見せたそれに命に関わる怪我はさせてねぇはずだ。」

「じゃぁ…その血は……。」

「あ?お前返り血だとか思ったのかよ。」


苦笑いする土方さん。


「馬鹿。これは俺の血だ。」


土方さんの血…?


「古高、ぁいや、男に噛みつかれたんだよ。」


と、腕の傷を見せた。

余りにも痛々しい傷が土方さんの腕についていた。




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