破れぬ誓い



「しっかし、人っ子1人いねぇなぁ。」

「そりゃぁそうでしょう。夜ですもん。」

「もう亥の近けぇぞ。」


真っ暗な夜道。

灯りは行灯のみ。


目的地は池田屋だがそこまでに行く浪士を倒すのがアタシたちの隊の役目。

近藤さんたちは切り込みが役目だった。


どうしてだろう。

近藤さんたちも動かなければこっちも浪士を見つけない。


あの男は嘘の情報を吐いたのか?


誰もが不安がり始めた頃何者かが走ってくる音が聞こえた。



「誰だ!」


土方さんの声と同時に刀に手を添えるアタシ。

行灯の灯りに照らされてその人物の顔が見えた。


「山崎!?」



「近藤さんたちが……近藤さんたちが斬り込みました!!」



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