破れぬ誓い
「総司、帰ろう。屯所に。」
遥の言葉で俺は現実に戻った。
総司が立とうとする影が映る。
足元のおぼつかない様子の総司。
「オイ、帰るぞ。」
俺は部屋の中に入っていった。
総司を抱えて歩き出す俺。
コイツがさっき遥を抱きしめ唇を奪ったかと思うと悔しい。
ここに捨て去りたくなるような衝動にかられる。
だが後ろには遥がいる。
嫌われたくなかった。
「土方さん、俺にはアンタにゃ勝てない…。」
総司が小さな声で言った。
俺には意味がわからない。
「あんまり待たせないでやってくださいよ。可哀想だ。」
総司はそう呟いて俺に体を預けた。