破れぬ誓い



アタシが殺した人の家族はああやって泣いている。

きっとアタシを憎んでる。

アタシの両親を殺したあの男と一緒だ。

アタシはあの男と一緒だ…。



あの時の自分の感覚が恨めしい。

当然だなんて思ってはいけないのに。


背負って生きる。


この罪を背負って生きる。


たいした償いにはならないかもしれないけれどこの罪を背負う。




そうすることでアタシはあの男と違うという安心感を得たかった。

殺したということでもう同じ、同類のはずなのに。


どこかで自分を正当化したかった。

自分は正しいと思いたかった。


アタシが正しいだなんてそんなはずはない。


だって何が正しくてなにが間違っているのかわからないのだから。





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