破れぬ誓い



「弔辞。」


近藤さんの声が聞こえた瞬間アタシは現実に引き戻された。

前に近藤さんが立っていた。



「一、士道ニ背キ間敷事
 一、局ヲ脱スルヲ不許
 一、勝手ニ金策致不可
 一、勝手ニ訴訟取扱不可
 一、私ノ闘争ヲ不許
 右条々相背候者切腹申付ベク候也!!!」


いきなり何を言い出すかと思えば近藤さんは局中法度を読み上げた。


「聞こえているか?今のは局中法度だ。
覚えていないとは言わせないぞ。歳三にどやされるぞ。」


「お前らは士道に背いて死んだ訳じゃない。
みっともない真似をして死んだわけじゃない。立派な新選組の一員だ。
お前らは局中法度を破ったか?」


話すことのない遺影に近藤さんは優しく語りかける。





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