破れぬ誓い




「死んでいた…。」

「あぁ、気休めかもしれねぇが綺麗な死に顔じゃなかったさ。
恐怖と苦痛にゆがんだ顔だった。」

「……それ以上言わないで下さい。」


池田屋のときに見つけられなかった。

見つけていれば私闘じゃなく仕事という事で殺せたのかもしれない。


そんなことが頭をよぎる。

そんなことを考えたくない。

もう、忘れたい。



「ぅ……ぅぁぁぁ……!!!」



声にならない言葉。

口から零れるのは苦痛の呻き。


全てを壊したい。



殺したい自分と殺したくない自分。


体の中で戦う。


やりようのない怒りがアタシを占拠してそれを静めようと別のアタシが占拠する。







< 191 / 333 >

この作品をシェア

pagetop