破れぬ誓い



「やっ!総司!嘘だ!」

「嘘じゃ…ないさ。」

「そんな…嫌だよ。」

「泣くな、泣くなって。」


膝枕で寝ている総司の頬にアタシの涙が落ちる。

じわっと総司の目にも涙が浮かぶ。


「嫌だよぉ…嫌…。」

「俺だって嫌だ。だけど仕方ないんだよ……。」


総司の目から一筋の涙がこぼれ落ちた。


「俺だって遥達と一緒にいたいさ。だけど仕方ない。
俺が死ぬことは目に見えてる…。」


泣いているのを隠すように目に腕を当てて総司は話す。

だけど、総司の頬に涙が流れている。


「そんなこと言わないで!」

「俺は死ぬ。だけどな、遥がそばで笑ってると死ぬことが怖いと感じないんだ。
どうしてだろうな。」


何も言えないアタシ。


「だったらずーっと遥の幸せそうに笑ってる顔が見ていたいんだ。」





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