破れぬ誓い



「アンタだったらどうします?好きでもねぇ男と一緒で幸せになれますか?
死に間際の自分に同情して一緒になった女と一緒で幸せですか?」

「総司……。」

「ここまで言ったらいくら鈍感なアンタでもわかるでしょ。」



そ、遥は土方さんが好き。

土方さんは遥が好き。


俺は気づいてたさ、ちょいと前から。



「遥は待ってますよ。アンタは待たせ過ぎですよ。
こないだいいだけ抱きしめたくせに。」

「なっ!お前!」

「あんだけデケェ声で遥の名前呼んで、泣いて。気になって来てみれば……。」



正直あれを見たら俺だって狼狽えるさ。

いくら諦めても未練たらたらなんだから。



「遥を幸せにしてやってくださいよ。俺の生きている内に。」




「あぁ……。」




全く、こんなこといわれても顔色変えないんだ。

遥の側にいると人間らしくなるのに。






< 214 / 333 >

この作品をシェア

pagetop