破れぬ誓い



「行くぞ。」


店を出れば月が綺麗にアタシたちを照らしていた。

行灯を持って土方さんは歩き出す。


「あ!ちょっと待ってくださいよ!」

「おせーぞ。」


なんてアタシを見て笑う土方さん。

全く何を考えているのかわからない。


「土方さん?」

「あんだよ。」

「どこに行くんですか?」

「あ?教えねぇ。」

「ま、また仕事場ですか……?」

「んなわけあるめぇ。俺の体がもたねぇよ。」


スタスタと歩く土方さんの横を今アタシが歩いている。

なんか信じられない奇跡に心臓が……。







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