破れぬ誓い
「どうした?顔が紅ぇな。」
「べっ、別に!」
「お前は面白いな。」
「面白い?」
「あぁ、人間らしい。新選組に入ると大概の奴が人間味を失う。
どこか人間っぽくなくなっちまうんだよ。」
「俺もそうだ。」と自嘲の笑いを浮かべる。
「けど、お前は違った。まぁ最初は人間味なんて大して感じなかったがな。」
「え、そんな感じでした?」
「俺の刀を手で受け止めるなんざぁ正気の沙汰じゃねぇわな。」
押し殺したように笑う土方さん。
思い出してみればあれはするべきじゃなかった…。
「けど、殺すことに悩んでいるお前を見てると昔の俺を思い出したんだ。
そしたら、いかに今の俺が冷たくなったかを思い知らされた。」
「お前が羨ましかった。どんどん人間味を増していくお前が。
総司もそうだったんだろう。」
羨ましい?
アタシが?