破れぬ誓い



「歳三と両想いなんだってな。」

「近藤さん!?」

「お前らの様子をみりゃぁすぐにわかるさ。よかったな。」


笑う近藤さん。


「どれくらい居ないんですか?」

「さぁなぁ~…。」


う~んと首を傾げて顎を摩り考え込む近藤さん。


「さぁなって……。」

「遥の花嫁姿見たいよ。」

「まだまだ気が早いですよ!」

「気なんか早くないさ。遥の幸せそうな顔見たい。」


嫌な気がした。

総司と同じことを近藤さんがあの時の総司と同じ顔で言うから。


「近藤さん?帰ってきますよね?ねぇ?」

「……あぁ。もちろんだよ。」

「じゃぁ、帰ってきたら話し聞かせて下さいよ。」

「あぁ。遥、一度でいいから呼んでくれないか?」

「呼ぶ?」

「あぁ…ちょっと照れくさいな…はは…“お父さん”ってな。」


なんて照れ笑いを浮かべる近藤さん。

こっちも照れくさくなる。


「嫌か?」


照れて黙っているアタシに近藤さんが聞く。



「嫌じゃないですよ。」







「いってらっしゃい、“お父さん”。」







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