破れぬ誓い
広間に飾られていたもの。
それは白が眩しいアタシの陣羽織だった。
「これ…。」
「あぁ、遥のだよ。着てみてごらん。」
アタシは陣羽織に近寄っていって手に取った。
真新しい匂いと真っ白な生地。
袖の蒼は綺麗に染められている。
これが…アタシの羽織。
するりと袖に手を通してみた。
長さもちょうどいい。
いつの間にこの大きさに仕上げたのだろうか?
「似合ってる。」
近藤さんはニッコリと笑いかけてくれた。
「おぉ~!遥いいなぁ!」
不意に声が聞こえたかと思うと沖田さんが手を叩いてアタシを見ていた。
横では土方さんが微かな笑みを浮かべて立っている。
「ほら、土方さんも何か言ってやればいいでしょ?」
「あぁ。」
「“あぁ”だけですか?あぁ、そうですか。いいですよ。その分俺が褒めますから。」
と、沖田さんは少しむくれたように唇を尖らせる。
近藤さんはそんな2人を見て笑っていた。
アタシはこの羽織に感動してずっと顔がゆるんでいた。