破れぬ誓い


あれから数時間。


土方さんと仕事をしていても全く手につかない。

土方さんも同じようだった。


時々動いている手は止まり、
じっと苦虫をつぶしたような顔をして何かを考えてるようだった。


「ひじ…かたさん。」

「あ?あんだよ。」

「なんでもないです。」


下を向いているアタシを不思議に思ったのか土方さんはじぃっとアタシを見る。


「どうした?」

「なんでもないです。」

「そんな暗ぇ顔してたら誰でも気になんだろ。」


伏せ目がちなアタシの顔をむぎゅっと掴んで自分の方へ向かせる。


「はにふふんへふか。」

「るせー。いつまでも下向いてっからだ。」

「ははしてくらはい。」

「話すか?」


うんうんと頷くアタシをようやく離してくれた土方さん。


「いなくなったり…しませんよね。」

「は?」

「一緒にいてくれますよね。」



ずっと、怖かった。



「土方さんは遠くに行きませんよね。独りにしないでください…。」

「おう。」

「ずっと側にいてください。」


さらけ出した自分の本音。

土方さんが少し驚いたような顔をする。








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