破れぬ誓い
「馬鹿。いいんだ、これで。」
「いい?」
「あぁ、どこか俺は心に余裕を失っていた。だけどお前と一緒にいるとそんな焦りも消える。」
「だけど、早く合流しなきゃ…!!」
「あいつ等はそんなにヤワじゃねぇ。」
「だけど…。」
あぁ。
土方さんの方が焦っていると思っていた。
だけど、本当は。
「何を焦っている?」
「焦ってなんか。」
「落ち着け。あいつ等は大丈夫だ。
俺たちは政府軍に出くわさないようにしなきゃいけねぇんだ。」
「急いで動くと駄目だ。冷静を欠くとろくなことが起きねぇ。」
早く駆けつけたいのにできない。
一番焦っていたのはアタシだったんだ。
もどかしさが体を震わせる。
どうしてだろう。
涙が一滴、ポトリと落ちた。