破れぬ誓い



「土方さん。」

「あ?」

「もう大丈夫ですか?」

「るせぇ・・・。」


ぐいっと顔をアタシに埋めて抱きしめる。


「寂しいですね・・。」

「あぁ。」

「悔しいですね・・。」

「あぁ。」

「に・・・。」



『憎いですね・・。』

ふと喉まで出かかった言葉が言えなくなった。

そんな言葉言えなかった。

『憎い』だなんて言えなかった。


近藤さんが言ったから。

憎むなと。







そんなこと口が裂けても言えなかった。




言わない代わりにぎゅぅっと土方さんを抱きしめた。








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