破れぬ誓い



慌てる土方さん。

それを見て男の人たちがまた口々に「本当ですか!?」と叫ぶ。


「うるせぇっ!」


また、土方さんの怒鳴り声。



「とにかく、遥の腕は本物だ。歳三が押されてたからな。それでも疑う奴ぁ今死合すっか?」


と笑う近藤さん。

口は笑っているが目が笑っていない。


男の人たちもグッと口をつむんで冷静に考えたらしい。


「そうですね。近藤さんが嘘をつくわけではないですしね。」

「それに近藤さんの腕を見抜く目は本物ですしね。」

と、それぞれ納得してくれたようだった。




「お前ら、そろそろ自己紹介したらどうだ?」


近藤さんが優しい顔に戻り2人の男の人に促した。


「俺は永倉 新八だよ。ちなみに二番組長、よろしくな。」

「私は斉藤一。三番組長だ。よろしく。」


急にかしこまった2人。

先ほどのテンションとは大違いだ。


「辻村 遥です。これからよろしくお願いします。」


アタシは深々と礼をした。


「さて、自己紹介はこれくらいにして本題に行くぞ。」


近藤さんが低い声を響かせた。




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