破れぬ誓い



「生きるってのはよ・・。」


「“笑う”ことなんじゃねぇの?」

「笑う?」

「あぁ。心臓が動いていても、感覚があっても、感情のない人間は人形と同じだろ。」



「決してそれが悪いとは言わない。だが、人間として生きるのなら感情がいる。」


「人間として・・。」


「だけどな、怒りや、憎しみ、悲しみだけの人間って生きていても辛いだろ。」



「人間は生きるんだったら笑ってないといけないと俺は思う。」



「笑う、それが人間として一番生きるために必要なんじゃねぇの?」


土方さんはそう言ってアタシの頬を摘んで横に広げる。



「笑ってりゃ、幸せがくる。泣いてたら辛いことが来る。」



「生きるんだったら笑ってろ。笑ってる人間が一番人間らしい。」



土方さんはニィッと笑って変な顔をする。



「ふふっ・・ぁはは・・・!」



思わず笑ってしまったアタシを見て土方さんは優しく笑う。


「そう・・それがお前だ。」




「俺や、総司、近藤さんが愛したお前だ。」




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