破れぬ誓い



「ぁ、土方さんいたんですか。」


部屋に帰ると土方さんがいた。

あまりに遅くなったからもういないかと思っていた。


「どうしたんですか?急に。」

「ぁー。まぁ、それはいいだろ。座れ。」

「はぁ・・。」


言われた通りに土方さんの正面に座る。


「そこに座るのかよ・・。」

「・・・駄目ですか?」

「そういうわけじゃねぇんだが・・・。」


そう言った土方さんはガリガリと頭を掻く。


「あの・・・?」

「俺たちはこれからどうなるかわかんねぇ。」

「は・・?」

「何があってもお前は生き抜けよ。」

「な、何ですか・・急に。」



「俺にとってお前は大切な存在だ。だからこそ俺にもしものことがあっても生きろ。」

「な・・・なにを・・。」


いつの間にかアタシの目には涙が溜まる。


「泣くな。」

「だってッ・・土方さんがいなくなったら、アタシは独りになるッ・・!!」

「馬鹿、もしもの話だ。」

「いなくならないで・・・。」

「わかってる。」


土方さんはそう言ってアタシを抱き寄せた。


「お前が・・・お前がいいなら・・。」




「俺が死んだらお前は大きな足枷ができるかもしれねぇ・・。」

「そんなことない・・。」







「遥・・俺と夫婦になってくれねぇか・・。」




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