破れぬ誓い
「遥。行くぞ。」
「はい。」
いつもの着物から袴に着替え、刀を腰にさす。
髪を邪魔にならないように結い、久しぶりに新撰組のときのように身が引き締まる。
「軍議を始める。」
歳三の声を合図に床に勢力図が広げられる。
参加しているのはかく部隊の隊長。
6人くらいの男の人たちが初めて参加しているアタシを見ていた。
「辻村です。」
そう言ってぐっと頭を下げた。
が、なぜか横から小突かれる。
ちらりと横目で見れば歳三が横目でアタシを見ていた。
まるで何かを言いたげに。
「ぁっ。」
「失礼しました。辻村、改め土方遥です。」
一気に周りがざわめく。
「あの・・それってもしかして・・。」
「俺と遥は先日、婚姻した。」
「おめでとうございますっ!」
「まぁ、小難しい紙なんかはねぇけどな。事実的には結婚した。」
こんな恥ずかしいことを照れもせず話す歳三。
アタシに話すときはあんなに顔を赤くしていたのに。
「話がずれたな、戻すぞ。」
「子供は?」
「こっ、子供ぉ!?」
思わずアタシが声をあげてしまった。
「いっ、いるんですか!?」