破れぬ誓い
「くっ・・・。」
誰もが口をつぐんだ。
一千と、一万。
これはどうしようもない事実だった。
「俺達は一体どうしたらいいんだ・・・。」
「これ以上仲間が増えることは期待するな。」
歳三の放った一言は絶望的な意味を含んでいた。
「しかし、志気を上げれば負けは負けでも世の中を変えることはできるかもしれねぇ。」
「今は、政府の野郎の世の中かもしれねぇが、いつか、いつか遠い未来変わるかもしれねぇ。」
「遠い、未来。」
「俺達は見えなくともいつか変わる。お前達はなんの為に戦っているんだ?」
口々に声を上げ、自分の目的を述べる人たち。
「侍の世の中を取り戻すも、今の政府のやり方が許せないにしても。」
すっと歳三は立ち上がりアタシたちをゆっくり見渡す。
「それは結果として世の中を変えることになる。それが今でなくともいつか俺たちの子供、それ以上後でも変わるはずだ。」
「勝つことは大事だが俺たちにもっと大切なこと。それは今の世の中を変えることだ。」
「アタシは貴方が成すことは正しいと信じていました。それがたとえ人を殺める事でも。」
アタシはすっくと立ち上がって歳三を見上げる。
歳三はふっと笑ってアタシの頭を撫で手を握った。
「今見えない変化だとしても貴方が行うことできっと世は変わる。」
「遥。」
「信じています。」
そんなアタシたちにつられて他の人々が刀を持ち立ち上がる。
「わかった。これは世を変えるための戦いだな。世を変えるためなら喜んで命をも差し出そう。」
「俺の家族のためならば。」
口々に人々が声をあげる。
目はどれも輝いて燃えるようだった。