破れぬ誓い



「これから俺たちは最後の攻撃を仕掛ける!!!」


歳三の声が響いた。


「最後になろうとも!世の中を変えることはできるだろう!」



「新撰組出身の野郎共!!」


何を歳三は叫ぶのだろう。



「失った仲間は数知れず。しかし!お前等と死んだ奴等は繋がっている!!」



「何を恐れる!俺たちには仲間の仏がついている!!死んだら別れるだと!?」


歳三はいつもの不敵な笑いを浮かべる。



「俺たちには『局中法度』があるだろう!破らねぇ限り、死んでいようが生きていようが俺たちは仲間だ!!」


「俺に続け!死んでいようが奴等は仏となり俺たちに味方するだろう!仏がついている限り俺たちは負けねぇっっっ!!!」





「「「オォォォォ!!!」」」



空気が震え、頬にビリビリと電気が走る。

興奮で紅潮する顔があちらこちらにある。

青い顔なんてどこにもない。


きっとアタシの顔も紅潮しているのだろう。


ふと歳三に目をやれば、不敵な笑みは消え少し興奮した顔があった。


歳三は馴れた手つきで抜刀すると高々と持ち上げる。





「俺に続けぇぇ!!!」

「「「おぉぉぉ!!!」」」



遠くから同じように声が聞こえる。


始まった。


とうとう、最後の戦いが。



アタシは抜刀し、歳三の横で走り出した。









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