破れぬ誓い



「失礼しまー…。」


アタシは道場に入った。

瞬間静まるあたり。

大人数がいるくせにアタシが入った瞬間稽古をやめアタシを見ている。


気分が悪い。

なに?


アタシはじっとあたりを見回してから場所を取って木刀をつかんだ。


なんだ、刀はいらなかったか。



「ちっ。」


小さな舌打ちが聞こえた。

アタシは聞こえたほうを見るとあの男。

いいだけアタシの悪口を言っていた男がいた。


「あーあー。ガキが来たよ。ったくよぉ。」


その男が不満そうに言う。

それもわざとアタシに聞こえるような声で。

それに乗じて聞こえる笑い声。

誰もが笑っているわけではないが笑われると非常に腹が立つ。


「どーせ弱ぇくせにな。」

「アハハハ!!」


腹が立つ。

ムカムカムカムカ…。


あのときのイラつきだ。


格好を馬鹿にされたときのイラつき。

怒りが沸沸と湧いてきた。




< 87 / 333 >

この作品をシェア

pagetop