破れぬ誓い



見渡せば斎藤さんや永倉さんもいた。

それに、あの道場でやっつけた男も。


アタシはすぅっと息を吸い込んだ。


「えっと。新撰組に入隊しました。辻村 遥です。」


そこまで話してこれ以上何を話したらいいのかわからなくなりそうになる。


「新撰組には入隊すべきではない年や、性別かもしれません。
ですが、アタシはみなさんと同じ攘夷浪士を倒すという志を持っています。」


あぁ、どうしよう。

何を言えば…。


「アタシは奴らを倒せるのならどんなことでもします。
前回の戦闘では足を引っ張ってしまいましたが、
これからは精一杯やります。これからよろしくお願いします。」


なんか滅茶苦茶な挨拶だったと思う。

もうどうしよう。

あまりの恥ずかしさにうつむいていたが拍手の音に顔を上げた。


近藤さん、土方さんに総司。

たくさんの人がアタシを歓迎する拍手をしていた。


泣きそうなくらい嬉しかった。




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