嘘の無い想い
突然のドタキャン
「雅美?……………ごめん。今日約束したっけ?」


帰って来て、恋人の顔を見て開口一番の台詞。


「…………したような気がするけど………勘違いかな?」


米を研ぐ手を休めて恋人の顔を見る。


「………いや、えっと……ごめん。」


申し訳なさそうに頭をかきながら、近付いてくる。


「飲みに行くんだ?」


「ごめん。」


両手を頭の上で合わせ、必死に謝っている。


「良いよ。行ってらっしゃい。私、これ途中だから終わったら帰る。朝でも食べて。」


「ほんとごめん。」


「良いって。着替に帰って来たんでしょ?早くしないと遅れちゃうよ?」


止めた手を動かし始めた私は、小さな白い粒に視線を戻した。



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