嘘の無い想い
多分て…………

やましいことは何にもない。


『急に龍達と飲むことになった。悪いけど今夜キャンセルしたい。』


そう送ったメールに間違いはない。

約束をキャンセルしたのだから、雅美が友達とカラオケに来てるのも何の問題もない。

なのに………雅美と出会ったのが龍で良かった。

俺じゃなくて良かった。

そう考えてホッと胸を撫で下ろしていた。










『今夜空いてたら飯どう?』


あの日返さなかったメールから、送った誘いのメール。


『7時には空くよ。美味しいのご馳走してね。』


その日、雅美と映画の約束をしていたことなんてすっかり忘れていた。

何故?

分からないとしか言いようが無い。






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