嘘の無い想い
頭がぼんやり………


「で、夕べ、仕事帰りの電車で雅美ちゃんに会った。」


会った?


「お前、俺と飲みに行ってたらしいな。」


「ちょっと待て。」


「雅美ちゃん、笑ってた。打ち合わせが足りないって。」


ちょっと待て。


「俺がベラベラ話したのは悪い。謝る。悪かった。」


頭を深く下げた。

その頭を上げた時、龍は今まで見たことが無いような真剣な目をしていた。


「もう、雅美ちゃんいらねぇんだな?」


「は?何言ってんの?」


「お前、雅美ちゃんに内緒で夕貴と会ってんだろ?」


「内緒っていうか……」


「本気なのか?夕貴のこと。」


本気………そうだったのかもしれない。



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