シェジャン姫の遊戯
城に着くと、ムーラン王妃は休む間もなく、
すぐに重臣達を集め、
アロース王国との同盟の継続を取り付けた事を報告した。

家臣達は大きな歓声を上げて喜んだ。

｢もう一つ…｣

ムーラン王妃はゆっくりと重臣達を見回すと
こう続けた。

｢我がジュリエナ公国は、シェジャン姫を女王として擁立し、新しき時代を切り開いて行きたいと思っています｣

先程までの歓声がピタリと止み、
水を打ったような静けさが広まった。

‘やはり、弱冠5歳のシェジャン姫が女王になるのは無謀なのであろうか…、’との思いがムーラン王妃の胸に過ぎった。

しかし、ムーラン王妃は他国から嫁いできた身であり、
輝かしきジュリエナ公国の血筋を引く正統な後継者は、
今やシェジャン姫しかいなかった。
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