シェジャン姫の遊戯
‘もはや、ジュリエナ公国はここで終わってしまうのだろうか…’
と、王妃が諦めかけた次の瞬間、

先程以上の割れんばかりの強い拍手と歓声が、
ムーラン王妃を包んだ。

中には涙を流しながら抱き合って喜んでいるもの達までいた。

一人の者は、王妃の足元に駆け寄って来ると

「王妃様!良くぞご決断なさりました!我々は命をかけてシェジャン姫を、
いや、シェジャン‘女王’を守りまするぞ!!
ジュリエナ公国万歳!!」

そう高らかに叫ぶと、祝杯の杯を掲げた。

ジュリエナ公国の歴史はまた動き出した、と
王妃の胸は万感の思いで震えた。

こうして、その夜の祝宴はいつまでも続いたのだった。


夜更け頃、ムーラン王妃は自室に戻る途中で
シェジャン姫の寝室に立ち寄った。
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