シェジャン姫の遊戯
贅を尽くした豪奢な宮殿の大広間には、

今宵の招待客が集まり華やかに賑わっていた。

宮廷楽師達が美しい音色を奏で、

美しく着飾った人々の笑い声とさざめきが、

あちらこちらで起こる中、
玉座に座っている国王のベルトワは一人沈んでいた。
かと思うと、突然陽気に話し出し、

普段はあまり言わぬ冗談まで口にして、

なんと答えて良いか分からずに、

まごまごしている側近の肩を叩いて笑ったりしていた。

日頃は冷静沈着な父王のそんな様子を、

目を丸くして見ていた17才のアントゥル王子は

「ねぇ、父君は何か悪い物でも食べたんじゃないだろうか。

笑い茸とかそういった類いのものを」

と言って側近を慌てさせた。

やがて、今夜の貴賓招待客を紹介する旨の声が広間に響き渡り、

名を呼ばれた人々は、一人ずつ国王の前に出て行き

今宵の招待の謝辞を述べていった。

ベルトワは丁寧に返礼しながらも、どこか上の空であった。
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