天使の唄
余計なことって言うのはつまり…彼女を探そうとすること。
俺は別に彼女が誰か何て知りたい訳じゃない。
俺には彼女の歌がある。だから、知らなくたっていいんだ。
知る必要なんてない。
「本当、お前大丈夫か?」
心配そうな彼方の顔が視界に入る。もしかして俺、ボーとしてた?
「大丈夫、大丈夫。早く行こ?遅刻になんのヤだしー」
時計を見てみると後10分くらいで遅刻になりそうな時間だったからそれを使って話を逸らす。
親友であったとしても踏み込んで欲しくない。
それ程、俺の中で彼女は…彼女の歌は大切なモノになっていたんだ。