サクラリッジ
「ここが私のうちなんだ」
三階建てのビルの最上階にビュネの部屋はあるという。
隣の部屋にはユーコが住んでいるらしい。
後で呼ぶと言っていたが、ユーコとは別段親しくないので部屋にいないことを祈った。
幸い、ユーコの部屋は真っ暗だった。
「ちぇー、いないのか」
ビュネは残念そうにしていたが、私はほっとしていた。
部屋はワンルームだが、意外と広さがあった。
八畳くらいはあるだろうか。
ただ、巨大なベッドが部屋を占領していたので、歩けるスペースは少なくなってしまっている。
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