サクラリッジ
「しっぽが、亡くなったんだ」

ビュネは、言いにくそうに、たっぷりと時間をかけてそう言った。

その言葉の後に、どこかのURLをよこしてきたので、私はそれをクリップボードに貼り付けた。

「え?それは・・・どういう?」

突然の知らせに、私は耳を疑った。

普段、誰の死も意識せずに暮らしていると、この手の冗談を言うのは簡単になる。

誰も、生き死になど遠い世界の話のように思っていて、何の実感も畏れもないのだ。

だから、しっぽの訃報もよくある冗談だとばかり思っていた。

いや、冗談だと思いたかったのだ。

「さっきのアドレスをみればわかるよ」

どうやら、ビュネは私と同様に何人かに教えて回っているようだ。

いつもトロトロしたビュネにしては手際が良いと思ったのも、うなづける。
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