サクラリッジ
なんのために東京まで来たのか、ただ私と会うためではないはずだ。
そうでなくともビュネに会いたいと言っていたやつは何人もいるのだ。
「先生がいるんだ。すごく評判のいい」
口をもごもごさせながら返事をしている。
「何か食ってるのか?」
私が尋ねると、ビュネは手を振った。
「たまに舌がまわらなくなるの」
今度ははっきりと聞こえた。
「へえ、どうしてさ?」
「わかんないけど、そういう時があるの」
いつもの事だが、ビュネに質問してもまともな答えが返ってきたことがない。
なので、しつこく聞かないことにする。
「それで、先生がどうしたっけ?評判がいいんだよね」
「ちょこちも、サル兄も、聖皇魔とかもみてもらってるらしいんだってさ」
どうやら、知人が医者にかかっていると言っているようだ。
ちょこちってのは聞いた事がある。ちょこちっぷとかいう名前で、ビュネの所の掲示板に
書きこんでいるのを見たことがある。
だがサル兄は聞いたことがない。聖皇魔に至ってはセーコーマと言われても字がわからな
い。
聖皇魔も掲示板の常連で、私もよく見かけたものだ。
見る度に恥ずかしい名前だと思っていたが、セーコーマとは知らなかった。
誰だ誰だと尋ねているうちに、東京にきた理由を聞くなんてことはすっかり忘れてしまっ
た。
「セーコーマは会ったことあるけど、すごい可愛いよ。肌が綺麗なの」
ビュネははしゃいでいる。
「あ、女の子なの?」
私がきくと、そうだと答えた。
その後も、パンチャマ、GT、カラス、うぴ、青バナナと、掲示板に書き込む連中の名をあげていった。
一日に二十人近く書き込むのだが、それにビュネがひとつひとつ返信していく。
大変だろうと言うと
「暇だし、平気。たくさんきてくれると嬉しいし」
朗らかに笑うビュネを見ていると、鬱病の存在自体が信じられなくなる。
だか、ビュネがいうには、掲示板の二十人すべてが鬱なのだそうだ。
そうでなくともビュネに会いたいと言っていたやつは何人もいるのだ。
「先生がいるんだ。すごく評判のいい」
口をもごもごさせながら返事をしている。
「何か食ってるのか?」
私が尋ねると、ビュネは手を振った。
「たまに舌がまわらなくなるの」
今度ははっきりと聞こえた。
「へえ、どうしてさ?」
「わかんないけど、そういう時があるの」
いつもの事だが、ビュネに質問してもまともな答えが返ってきたことがない。
なので、しつこく聞かないことにする。
「それで、先生がどうしたっけ?評判がいいんだよね」
「ちょこちも、サル兄も、聖皇魔とかもみてもらってるらしいんだってさ」
どうやら、知人が医者にかかっていると言っているようだ。
ちょこちってのは聞いた事がある。ちょこちっぷとかいう名前で、ビュネの所の掲示板に
書きこんでいるのを見たことがある。
だがサル兄は聞いたことがない。聖皇魔に至ってはセーコーマと言われても字がわからな
い。
聖皇魔も掲示板の常連で、私もよく見かけたものだ。
見る度に恥ずかしい名前だと思っていたが、セーコーマとは知らなかった。
誰だ誰だと尋ねているうちに、東京にきた理由を聞くなんてことはすっかり忘れてしまっ
た。
「セーコーマは会ったことあるけど、すごい可愛いよ。肌が綺麗なの」
ビュネははしゃいでいる。
「あ、女の子なの?」
私がきくと、そうだと答えた。
その後も、パンチャマ、GT、カラス、うぴ、青バナナと、掲示板に書き込む連中の名をあげていった。
一日に二十人近く書き込むのだが、それにビュネがひとつひとつ返信していく。
大変だろうと言うと
「暇だし、平気。たくさんきてくれると嬉しいし」
朗らかに笑うビュネを見ていると、鬱病の存在自体が信じられなくなる。
だか、ビュネがいうには、掲示板の二十人すべてが鬱なのだそうだ。